婚約指輪の文化は古代ローマ時代に成立した習慣です。
婚約指輪の起源となるのは、妻をお金で買う売買という習慣だったため婚約成立時に花嫁の父親に花嫁の代金を指輪で払っていたことに由来しています。
この当時は妻をお金で買う「売買婚」の考え方一般的だったので、指輪で代金が支払われるのが結婚時ではなく契約が成立した婚約の時だったのです。
のちに婚約指輪は契約の象徴として男性が花嫁に贈るようになりましたが、現在のように装飾が施されていないシンプルなデザインの鉄製指輪が使われていました。
鉄は強さを象徴する金属だったので、鉄製の指輪には永遠に続く強固な結びつきを意味していました。
この時代は婚約指輪は装飾品ではなく女性が男性に所有される契約を示すという意味合いが強かったのです。
3世紀頃になると婚約指輪にダイヤモンドが使われ始めました。
そして15世紀には硬いダイヤモンドの研磨技術が発達して光り輝くダイヤの指輪が生み出され、王族や貴族など上流階級の人々の間で婚約指輪として使われるようになりました。
日本において一般庶民の間でダイヤモンドの婚約指輪が贈られるようになったのは1970年代以降です。